【PMO業務支援】Jira自動化ツール導入事例 〜チケット起票・更新の効率化〜
背景
弊社はコンサルティングファームとして、さまざまなクライアントのITプロジェクトをPMOの立場で支援しています。
PMO業務と聞くと「進捗を管理してレポートをまとめる」というイメージを持たれがちですが、私たちは単に管理を徹底するだけでなく、ツール開発を含めた実効性のある支援を重視しています。
その一環として、日常的に利用しているJiraをさらに便利にするため、自動化ツールの開発・導入を行いました。
課題感
実際の現場では、次のような“小さな不便”が積み重なり、メンバーの負荷になっていました。
- サブタスクをExcelから一括登録したいが、標準機能では対応できない
- 担当課題をまとめて一覧化したいが、毎回フィルタ条件を設定する必要がある
- Excelで更新した内容をJiraに反映する際、1件ずつ手入力せざるを得ない
これらは一見些細ですが、プロジェクト全体では大きなロスに繋がります。
解決アプローチ
そこで私たちは、Python × Jira API を活用し、
「起票 → 一覧化 → 更新」という一連の流れを自動化するツールを開発しました。
構成はシンプルで、以下の3本のスクリプトを組み合わせています。
- サブタスク一括起票(upload.py)
- 担当チケットのダウンロード(export.py)
- 一括更新(update.py)
この仕組みにより、現場メンバーが感じていた細かな不便を解消し、タスク管理の効率化を実現しました。
実際のシナリオ
① サブタスクの一括起票
テスト工程では「設計」「実行」「レビュー」など複数のサブタスクを一気に登録する必要があります。
従来はJira画面から1件ずつ起票していましたが、CSVを用意してスクリプトを実行するだけで、数秒で作成できるようになりました。
サブタスクCSV例
要約,終了日,ステータス,担当者,親チケット
テストケース設計,2025-09-20,To Do,user01,ABC-101
テスト実行,2025-09-22,To Do,user02,ABC-101
upload.pyコードの一部
fields = {
"project": {"key": project_key},
"parent": {"key": parent_key},
"summary": summary,
"issuetype": {"id": issuetype_id},
}
resp = jira.post("rest/api/2/issue", data={"fields": fields})
print(f" -> {resp.get('key')}")
② 担当チケットのダウンロード
進捗確認や棚卸しでは、担当課題をExcelに出力できるようにしました。
出力Excel例
課題キー 要約 ステータス 期限
ABC-201 APIテスト実装 In Progress 2025-09-20
ABC-202 レビュー対応 To Do
export.pyコードの一部
jql = 'assignee = currentUser() ORDER BY updated DESC'
res = jira.get(
"rest/api/2/search",
params={"jql": jql, "fields": "summary,status,duedate"}
)
これにより、週次の進捗確認が効率化され、メンバーも状況を把握しやすくなりました。
③ Excelからの一括更新
②で出力したExcelに進捗や期限を更新した後、そのまま一括でJiraに反映できます。
更新後Excel例
課題キー 要約 ステータス 期限 コメント
ABC-201 APIテスト実装 Done 2025-09-20 完了しました
ABC-202 レビュー対応 In Progress 2025-09-18 対応中です
update.pyコードの一部
if fields:
jira.issue_update(key, fields=fields)
if status_name:
transition_to_status(jira, key, status_name)
if comment_text:
jira.issue_add_comment(key, comment_text)
効果
導入後、次のような成果が得られました。
- サブタスク起票にかかる時間を 90%以上削減
- 担当チケットの棚卸しが 数クリックで可能
- 一括更新で 更新漏れや操作ミスを防止
現場からも「単純作業に時間を奪われなくなり、本来のタスクに集中できるようになった」という声が多く上がっています。
PMOとしてのスタンス
弊社PMO支援が大切にしているのは、「管理だけではなく、実際に現場で役立つ工夫を提供すること」です。
プロジェクトを成功に導くには、進捗や課題の可視化だけでなく、「どうすればメンバーがストレスなく動けるか」を仕組みで支援することも不可欠です。
今回のようにツールを開発して提供するのも、弊社のPMO業務の一部。クライアントに寄り添い、プロジェクト全体の効率と成果を高める取り組みを続けています。